京都・NHK・ESS Newsletter (January 2003)
by H.Sakurai


▼Contents

   □ Be who you are !

   □ Practice : 1月の報告と2月の予定

   □ 1月の出席状況とNew Comer

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先日、”007/Die Another Day” のBond Girl ”Jinx”を演じたオスカー女優Halle Berryが来日しましたね。彼女は女性にも人気が高いとかで、TVインタビューでは「どうすれば、そんなに魅力的になれますか?」という質問がありました。それに対する彼女の答えは、

◆ ”Be who you are ! ” (自分自身でいること)

でした。私はこれを聞いて「あっ!」と思いました。まさにこのことを、私は最近考えていたからです。私たちは、社会で生きる以上、社会規範に沿って生きなければなりませんし、企業人として活動するときには、個人の想いよりも企業の論理を優先させねばなりません。そして、忙しさに自分を見失いがちになり、いつしか、自分とはいったい何なのか、わからなくなってきていると感じます。自分らしく生きるにはどうしたらいいのでしょうか?

企業研修ではよく「マズローの欲求段階説」というのが用いられます。皆さんもおそらくご存知だと思いますが、生理的欲求、安全の欲求、などのいくつかの基本的欲求があり、その上に「自己実現の欲求」がある、という図式ですね。企業では、職場における自己実現と企業利益との整合を図ることでMotivationを高めようと意図するわけですが・・・整合させるためには、一部の人を除いて、たいていは個人側の妥協が求められます。

しかし、提唱者のAbraham Maslowは、決してこのような限定された自己実現を意図したわけではなく、心理学者として純粋に個人の自己実現プロセスをサポートする目的で「人間性心理学(Humanistic Psychology)」という学問を創設しています。そして、その理論と方法を具体化し、現代カウンセリングの基礎を築いたCarl Rogersは、『真の自分自身になる』というテーマを人生を通して追求し続け、興味深い逆説を導き出しています。

彼は、自分自身であるためには「今あるがままの自分を受け入れなさい」というのです。通常、私たちは、「自分探し」という言葉もあるように、本来あるべき自分のイメージを模索しながら、自分自身をそのイメージに少しでも近づけようと努力します。しかし、彼の説によると、そのような姿勢は逆に真の自分自身への変化を妨げてしまうそうです。本当に自分らしくあるためには、自分をコントロールせずにただ受け入れることが大切だというのです。彼の著書 ”On Becoming A Person(人が<ひと>になるということ)”の中に、次のような有名な一節があります。

◆The curious paradox is that when I accept myself as I am, then I change. I believe that I have learned this from my clients as well as within my own experience -- that we cannot change, we cannot move away from what we are, until we thoroughly accept what we are. Then change seems to come almost unnoticed.
(面白い逆説なのですが、私が、自分のあるがままを受け入れることができたときに、私は変わっていくのです。私たちは、自分の現実のあるがままを充分に受け入れることができるようになるまでは、決して変わることはできません。いまの自分から変わることはないのです。これは、私自身の経験と、クライエントの両方から学んだことです)

自分自身を受け入れて、自分自身にやさしく耳を傾けることができるとき、人は「真の自分自身」になり、最も魅力的に輝くということのようです。
そこで、私の今年一年のモットーは ”Be who I am” としました。
個性あふれる京都NHK ESSの皆さんには当たり前の生き方だったかもしれませんね。さあ今年も、ありのままで、リラックスして英語を話しましょう(^^)

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◆1月のプラクティス報告
・1/4 :お休み
・1/11 (Morimoto) : Interesting Article (Discussion)
・1/18 (Staff)  : What's New? (Speech)
・1/25 (T.Watanabe): Drama"SNOW WHITE" (Variety)

◆2月のプラクティス
・2/1  (Furuno) ・2/8  (T.Mori) ・2/15 (Igarashi) ・2/22 (Ogawa)
最新情報は、ESSのホームページでご確認ください。

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◆1月の出席状況とNew Comer
・1/4  : お休み
・1/11 :14名 うちNew Comer 2名
・1/18 :16名 うちNew Comer 4名
・1/25 :21名 うちNew Comer 4名

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以上です。

           A little language goes a long way !

(2003/2/2 発行)